勝った早実ナインも、準優勝に終わった駒苫ナインも、本当に素晴らしかったですね。再試合はちょうど東京から広島へ移動する新幹線の時間と重なっていたので、ほとんど見られなかったのですが、途中経過は車中のテロップに流れていたし、どっちがリードしてるとか、また前の日の延長15回引き分けゲームとか、プロの選手もかつてはみんな高校球児だったわけで、チーム内でもやっぱりよく話題に上っていました。
負けたら終わり…。プロ野球はリーグ戦なのでトーナメントで行われる高校野球の甲子園大会とは戦い方が違うかもしれませんが、今のタイガースは「1戦必勝」という状況では少し似ているのかも…。目の前にある試合に勝つ。今は本当にそれだけですね。
スポーツ新聞を見れば優勝マジックがいくつになったとか、ゲーム差がどうなったとか、自然と目に付きます。だからもちろんその数字を知らないわけではありません。でもそれを気にしてもしょうがないですよね。もうここまで来たら中日を意識するのではなく、自分たちが目の前の相手に勝つこと。自分たちが勝ち続けることで初めて何かが起こる可能性が出てくると思っています。
チーム内に逆転Vを諦めた選手、関係者は誰もいません。それは戦っていればわかりますし、ミーティングや移動中、ベンチの中など、気持ちが切れたムードは全然ありません。先週は京セラドーム、神宮球場で6ゲームありましたが、球場で応援されていたファンの方たちもまだ諦めていなかったのが嬉しかったですね。18日にヤクルトに逆転負けした後も「明日は勝たなアカンぞ」「まだまだ信じてるからな」などなど…。心に響きました。
残り37試合。本当の勝負はここからです。今日からは広島3連戦で、そして週末の巨人戦は甲子園です。高校球児に負けない熱く激しい戦いをします。
(阪神タイガース 外野手)
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