さあ後半戦が始まります。東京ドームで巨人戦。きょうからガンガン打って、がんがん走ります。左脇腹のろっ骨を骨折してからは(このコーナーでは、実は自分の口から骨折という事実を初めて話すんですが・・・)、クイックで投げない投手の時限定とか、岡田監督から「ここぞという時だけでいいぞ」と言われていたので、少し盗塁のペースを落としていましたが、もう大丈夫です!
といっても、今でもすごい痛いんですよ。痛み止め注射が効かない時もあるんです。でも、この状況に慣れてきたというか、痛いのが当たり前になってきたというか…。ただ先日、再検査に行ったら患部の骨がくっつき始めていると言われました。もう少しの辛抱なのかな…と。
1番打者として、とにかく出塁したい。前半戦最後の横浜戦(20日、甲子園)で延長11回を0|1で負けた試合は、ボクは四球が一つあっただけ。ボクが出れば、今年のクリーンアップなら還してくれる。だからボクは重要なポジションにいるんだと、あえて、そう自覚するようにしているんです。
2番を打つ鳥谷とは「2人で共倒れはしないようにしような」とよく話すんです。どちらかが出塁すれば、得点の入る可能性は高くなりますから。球宴前、ボクがあまりスタートを切らないようになってから、その鳥谷の打席にも影響を及ぼしてしまいました。鳥谷の初球に、それまでとはパターンを変えていきなりフォークボールで入ってきたり・・・。明らかに配球が変わっていました。でも、もうボクも塁に出たらいつでも次の塁へ向かう姿勢だし、そして鳥谷にも「オレのスタートを待たずに、いい球が来たら初球からでもどんどん振っていっていいぞ」と伝えています。
きょう対戦する巨人の慎之助(阿部)とは入団が同期で、彼の凄さはシドニー五輪でいっしょだった時から知っています。その時は向こうはボクのことをそう思ってなかったと思うけど、ボクはずっとライバルだと思って追いつけ追い越せでやってきました。
一塁に出たら、今のセの5球団の捕手の中で慎之助が一番、ボクの方を見てくるんですよ。相当、ボクの足を意識しているのがわかるし、ピッチャーとかに絶対に走らせるなとしつこく言っていると思うんです。
でも、こちら側としても、相手キャッチャーに気持ちよくプレーさせないのが常套手段だし、慎之助が打席にいる時にヒットを打たせないとか、ボクなら出塁して常にゆさぶりをかけるとか、リードに迷い生じさせられるまでいけば有利になりますから。
あと55試合。試合の流れを左右するような、チームの勝利に直結する盗塁を100発100中で決めたい。個人的にはその上で数を増やしていけたら、嬉しいですね。
(阪神タイガース 外野手)
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