少し前の話ですが、7日の横浜戦(横浜)で始球式にグラビアタレントの「ほしのあき」さんが来られました。打席にはボクがいて、新聞記者さんや友人から「かわいかったか?」とか「どこ見てたんや?」とか何度も聞かれました。
写真誌や週刊誌にも取り上げられて、関連で「赤星もフェロモンパワーをもらって・・・」みたいなことをよく書かれていましたが、正直、プレーボールの直前なのでグワーッて集中力を高めているから、そんな変な事は考えられないですよ。ヒットを打つイメージをしている最中ですし。翌日のスポーツ紙の写真を見て「おお、すげえ、こんなカッコしてたんや」と驚いたぐらい。そういう意味では、ボクが一番損じゃないですか(笑)!
あと最近、周囲からよく言われるのが盗塁のペースが落ちているんじゃないかってことですね。30歳になって、スピードが落ちてきた、って・・・。で自身最多の64盗塁をした04年は4月に6個、5月に5個。なので今現在8盗塁という数字はまったく気にしていません。
ボク自身の脚力が落ちたとは思わないけど、ただ、相手バッテリーの警戒が強まっているのは感じます。先日、達川光男さんがテレビ解説の中で言っておられましたが、二盗の場合、ボクがスタートを切って二塁ベースに到達するまで平均3・1秒から、3・2秒かかります。捕手が取って二塁へ送球するまで一般的に約2秒。ボクと捕手の2人の動作はどんなに頑張っても極端に縮まるなんてことはありえません。ということはピッチャーがどれだけ早いクイックモーションをするか。盗塁はキャッチャーではなくピッチャーとの勝負です。
単純に引き算すれば、投手が投げる動作を始めてから捕手のミットまで1・1秒から1・2秒がセーフかどうかのボーダーラインになります。ちなみに先日対戦したロッテの久保投手はメチャクチャ早くて0・9秒といわれていますし、久保投手に限らず全体的にボクが塁に出た時は多くの投手が昨年よりも速くなっていますね。。
盗塁の数は気にしないと書きましたが、内容にはこだわりたい。「ここで赤星が走ってくれたら・・・」と思う時にいかに走れるか。クイックが早くて数字上、不可能な時でもクセが分かればスタートは早めに切れるし、変化球の時を狙えばより確率はアップします。そのワンチャンスでいかに勇気をもってスタートを切れるか。この「勇気」が一番大切だと思うんです。今季はここまで7回も失敗してすごく申し訳ない気持ちでいっぱいなんですが、「また失敗したら…」なんて考えていたら勇気あるスタートは無理です。確かにここまで8盗塁は決して多い方じゃないかもしれませんが、ボクはまだ勇気まで失ったつもりはありません。
(阪神タイガース 外野手)
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